
10月6日、東京商工リサーチが、
「年度上半期の『後継者難』倒産 過去最多の263件」
と題する調査結果を公表しました。
2026年度上半期(4~9月)の「後継者難」倒産は263件。
前年同期比23.4%増となり、上半期として過去最多を更新しました。
しかし、今回の調査で私が特に注目したのは、
倒産件数そのものではありません。
なんと、全体の85.5%が、
経営者の死亡・体調不良を原因としていることです。
この数字は、中小企業の事業承継が抱える深刻な問題を
浮き彫りにしているように思います。
1. 後継者難倒産の原因とは?
今回の調査によると、後継者難倒産(263件)の内訳は次のとおりです。
* 経営者の死亡 :120件(45.6%)
* 経営者の体調不良:105件(39.9%)
* その他 : 38件(14.4%)
死亡と体調不良を合わせると225件。
実に全体の85.5%を占めています。
また、ほぼすべて(94.6%)が「破産」による倒産でした。
もちろん、これらの企業がすべて事業承継の準備不足によって倒産したとは限りません。
しかし、経営者が突然亡くなったり、病気で経営を続けられなくなったりしたことが、
会社の存続を左右している実態がうかがえます。
2. 問題は「後継者がいないこと」か?
中小企業の事業承継問題というと、一般的には「後継者不足」が原因として挙げられます。
しかし、私は、後継者がいないこと自体が、必ずしも最大の問題ではないと考えています。
現在では、親族に後継者がいなくても、
役員・従業員への承継や第三者へのM&Aなど、複数の選択肢があります。
もちろん、すべての企業で承継が実現するわけではありません。
それでも、親族に後継者がいないからといって、直ちに廃業するしかないわけではないのです。
むしろ問題なのは、
「後継者がいないことを認識しながら、
具体的な対策を講じないまま時間が過ぎてしまうこと」
ではないでしょうか。
3.なぜ事業承継は「先送り」されるのか?
事業承継の準備が進まない背景には、経営者特有の心理的な問題があると考えられます。
まず、「自分はまだ元気だから大丈夫」という意識です。
特に創業経営者の場合、自ら苦労して会社を育ててきたという自負があり、
経営から退くことを現実的に考えにくいのかもしれません。
また、会社経営が人生の生きがいになっており、
引退後の生活を想像できない経営者もいるでしょう。
さらに、M&Aについて
「会社を売り渡すことへの抵抗感」を持つ方も少なくないと思います。
そして、もう一つ見落とされがちなのが、自社の価値を客観的に把握できていないことです。
例えば、
「うちのような小さな会社に買い手などつかないだろう」
と考え、M&Aを最初から選択肢から外してしまうケースです。
しかし、会社の価値は売上高や利益だけで決まるわけではありません。
独自の技術や顧客基盤、優秀な従業員、取引先との信頼関係などが、
買い手企業から評価されることもあります。
逆に、経営者が自社の価値を過大評価し、
現実的な譲渡条件との間に隔たりが生じる場合もあります。
自社の価値を知らないことは、
事業承継の可能性を過小評価することにも、
過大評価することにもつながるのです。
こうした理由で事業承継を先送りしているうちに、
経営者自身が高齢化し、突然の病気などによって
承継の機会を失うおそれがあります。・・・続きはブログで!


