
近年、中小企業の後継者不足を背景に、M&Aによる事業承継が急速に増えています。
一方で、M&Aの成立後に、事業承継が成功したとは残念ながら言えないケースも少なくありません。
実際には、M&A成立後に社員が退職してしまったり、主要な取引先が離れてしまったりして、
期待していた成果を得られない例も見られます。
こうした状況を踏まえ、中小企業庁が実施している「事業承継・M&A補助金」では、M&Aの成立だけでなく、その後のPMI(経営統合)にも補助対象が拡充されました。
今回は、PMIとは何か、そして政府がなぜPMIを重視するようになったのかについて解説いたします。
1.PMIとは何か
PMIとは、
Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の略で、
日本語では「経営統合」と訳されます。
簡単に言うと、
M&A成立後に、2つの会社を1つの組織として機能させるための取り組みです。
たとえば、
・組織体制の見直し
・役割分担の整理
・人事制度や給与制度の統一
・会計システムや販売管理システムの統合
・社員同士のコミュニケーション促進
・企業文化のすり合わせ
など、実に多くの課題があります。
株式の譲渡は契約書一枚で行うことができます。
しかし、従業員の心や組織の文化は契約書だけでは変えられません。
ここにPMIの難しさがあります。
2.M&Aは、契約成立が「ゴール」ではない
M&Aのニュースでは、「○○社を買収」「事業譲渡が成立」というところまでしか報じられません。
しかし、「本当の勝負」はそこから始まります。
例えば、創業40年の会社を第三者が買収したとします。
新たな経営者は、「これから会社を成長させよう」と考えていても、以前から所属している社員は、
「これから会社は一体どうなるのだろう」
「経営方針や自分の処遇は変わるのか」
「将来が不安だ」
という気持ちになります。
社員に対する説明が不十分な場合、幹部社員が退職したり、
その社員の信用力で維持していた得意先が離れてしまうケースもあります。
事実、令和4年に中小企業庁がまとめた「中小PMIガイドライン」によると、
M&Aの満足度が「期待を下回った」と回答した企業の多くが、その理由として
「企業文化・組織風土の融合が難しかった」
「相乗効果が出なかった」
といった『PMIの失敗』を挙げています。
つまり、会社を買うことと、会社を引き継ぐことは全く別の話であり、
M&Aの成立は、スタートラインに過ぎないのです。・・・続きはブログで!


