
このたび、私が代表を務めるバトン・コンサルティング株式会社は、
物流業界でロールアップ戦略を展開する企業との間で、
物流会社の事業承継支援に関する業務について提携する基本協定を締結しました。
今回は、この提携に至った背景と、今後目指す戦略や方針についてご説明したいと思います。
1.大きな岐路に立つ物流業界の現状
物流会社を取り巻く経営環境は、ここ数年で大きく変化しています。
従来から深刻だったドライバー不足に加えて、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されました。
いわゆる「物流の2024年問題」です。
この制度改正によって、ドライバー1人が長時間働くことで輸送力を補う従来の経営は難しくなり、
1人当たりの輸送回数や走行可能距離にも制約が生じました。
国土交通省の試算によると、
必要な対策を講じなければ、2030年度には輸送力が約34%不足する可能性があるとされています。
さらに、その背景には構造的な人手不足も影響しています。
トラックドライバーは全産業平均以上に高齢化が進んでおり、若年層の入職も十分とは言えません。
日本自動車工業会の2025年調査でも、
運輸業では約6割の事業所がドライバー不足を感じているとの結果が示されています。
加えて、2025年に成立した改正貨物自動車運送事業法によって、
一般貨物自動車運送事業の許可に更新制度が導入されることになりました。
本制度は、改正法が公布された2025年6月11日から3年以内の政令で定める日に施行されることになっています。
つまり、これまでは一度取得すれば更新不要だった許可が、今後は一定期間ごとに事業継続の適格性が確認される仕組みに移行するわけです。
こうした制度変更は、業界の健全性を確保する意味ではとても重要ですが、一方で経営基盤の弱い事業者にとって新たな負担となる側面もあります。
このように、
- 輸送能力の低下
- 慢性的なドライバー不足
- 法規制の強化
という複数の課題が同時に押し寄せていることから、「会社をどう存続させるか」が重要な経営課題となっているのです。
2.トラック運送業の特徴
こうした課題が特に重くのしかかるのが、トラック運送事業者です。
なぜなら、トラック運送業は、小規模・零細企業が多数を占める構造になっているからです。
全日本トラック協会によれば、保有車両数20台以下の事業者が全体の76.8%を占めています。
また、トラック運送業の場合、社長本人が、
- 荷主との営業関係
- 配車判断
- ドライバーの採用・管理
- 金融機関との関係
- 車両購入の意思決定
- 運行・安全管理の実質的な統括
を一身に担っている会社も多く、万が一社長が急に不在になった場合、会社の経営そのものが止まってしまうリスクがあります。
つまり、会社として一定の顧客基盤や収益力を持っていても、経営者の高齢化や人材不足を契機に、単独で事業を維持することが難しくなる可能性が潜んでいるのです。・・・続きはブログで!


