
もし、いま「自社株対策」を検討されているなら、今回のニュースは見逃せません。
国税庁が現在、「取引相場のない株式(非上場株式)」の相続税評価方法の見直しを進めています。
<参考記事>
私は、この国税庁の動向は、日本の事業承継制度そのものの考え方が変わる可能性を秘めた重要な議論と考えています。
今回は、その背景と、オーナー経営者が今から意識しておくべきポイントについて整理してみたいと思います。
1.現在の制度は「事業承継を支える」ために作られてきた
非上場株式には「市場価格」がありません。
そのため相続税や贈与税を計算する際には、企業の規模等に応じて
- 類似業種比準方式
- 純資産価額方式
- 配当還元方式
などのルールを設け、自社株の評価方法を規定しています。
この制度は約60年前に整備されました。
背景にあったのは、中小企業の事業承継です。
会社の株価をある程度低く評価できれば、後継者の相続税負担を軽減でき、円滑な事業承継につながるという考え方です。
実際、この制度は長年にわたり日本の中小企業を支えてきました。
2.国税庁が問題視している「節税対策」とは?
ところが近年、この制度を利用したさまざまな節税スキームが広く活用されるようになりました。
今回の有識者会議では、
・組織再編やグループ法人税制の利用
・多額の借入による不動産の購入
・無議決権株式の大量発行
・株主構成の意図的な操作
などを利用して、自社株評価を大幅に引き下げる具体例が国税庁から示されています。
(※ 上記の節税対策に関する解説は、下記リンクを参照ください)
もちろん、これらの多くは現行制度の適用範囲内で行われているものです。
しかし、国税庁が問題視しているのは、会社の価値そのものを下げたのではなく、「評価方法だけを利用して株価を安く見せている」という点です。
言い換えれば、企業価値と税務上の評価額との乖離が大きくなり過ぎていることが問題視されているのです。
・・・続くはブログで!


