
中小企業では「親族内承継」が減少傾向にある中、
第三者への事業承継(M&A)を選択するケースが増えています。
【2025年に代表者交代が行われた企業の就任経緯の推移】

<出典:全国「後継者不在率」動向調査(2025年 帝国データバンク) >
特に、飲食店、美容室、小売店、建設業、地域密着型サービス業等では、
- 「子どもに継がせる予定がない」
- 「従業員にも後継者がいない」
- 「廃業するにはもったいない」
という理由から、第三者への引継ぎを模索するケースが増えています。
ただ、小規模企業の第三者承継では、
- 何を引き継ぐのか
- どこまで責任を負うのか
- 誰が何を継続するのか
について曖昧なまま進めてしまったために、
買い手との間でトラブルになることがあります。
その背景には、
そもそも経営が「オーナー個人」と半ば一体化しているため、
- 経営者の私的資産や経費の混在
- 設備や顧客情報の管理が杜撰
- 従業員の雇用条件が不明確
といった「火種」を抱えていることが原因と考えられます。
今回は、小規模企業のM&A(第三者承継)でよく使われる3つの手法を紹介しつつ、
主に譲渡側の企業の視点から
・各スキームの特徴とメリット・デメリット
・トラブルになりやすいポイント
・譲渡側企業が事前に対応すべきこと
を整理して解説します。
「第三者承継」:3つの代表的な手法
小規模企業の第三者承継では、以下の3つのいずれかを選択することが多いです。
(1)株式譲渡
会社そのものを引き継ぐ方法
(2)事業譲渡
一部の事業だけを売る方法
(3)居抜き+建物賃貸借
店舗の設備や内装、賃借権を引き継ぐ方法
株式譲渡 ― 手続きはシンプルだが、過去のリスク開示が重要
株式譲渡とは、会社の株式を買主へ譲渡する方法です。
会社の株主だけが変わります。
そのため、
- 外部取引先との契約
- 従業員との雇用契約
- 事業に必要な許認可
- 会社の銀行口座
などを継続しやすいという特徴があります。
(1)株式譲渡のメリット・デメリット
【メリット】
・外部取引先等の契約関係を維持しやすい
・ 現在の許認可を維持できる場合がある
・ 手続が比較的シンプル
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【デメリット】
譲渡側にとって比較的進めやすい手法ですが、
その分、買主による調査が厳しくなりやすい面があります。
良くも悪くも「会社の過去の一切」を買い手に引き継いでもらう手法のため、
買い手にとって「地雷」になりそうな事項は
あらかじめ先方に開示しておくか、事前に解決しておく必要があります。
(2)買い手側とトラブルになりやすい事例
1)「簿外債務」の存在
特に揉めやすい事例として、
決算書には現れない下記のような「簿外債務」があります。
- 個人借入
- 未記帳債務
- 知人への借金
これらが契約締結後に発覚すると深刻なトラブルになります。・・・続きはブログで!


